8期生
田坂 由衣さん

田坂 由衣さん

田坂 由衣さん

活動期間:2012年10月~2013年9月

大学卒業後、教師を経てぼらいやーに参加。世界10ヶ国を周り、タイ・インド・日本で国際ワークキャンプに参加、ウガンダ・エクアドルで中長期ボランティアに参加。実家がNPO法人の託児所を経営しており、将来的にその事業を継ぎ、外国人ボランティアの受入を考えており。自分自身もまずは国際ボランティアの経験をしたいと思い、ぼらいやーに参加。世界中の子ども・教育系のプログラムに参加し、色々な環境の中で暮らす子ども達に会いに行く1年間を過ごす。

世界地図

訪問した国

ボランティアに参加した国
日本→タイインド→ネパール→ウガンダ→ルワンダ→ウガンダ→ケニア→タンザニア→ザンビア→ナミビア→エクアドル日本

1年間の流れ

活動開始日(出発日)~活動終了日(帰国日)
2012年11月11日~2013年8月11日
名前:田坂由衣(社会人)

活動していたスケジュール
10月 ・渡航準備(予防接種、必要なものの購入、動機書作成など)
27-30 事前研修
11月 ・航空券購入、海外保険手配
11/12–11/24 VSA, Songkhla English camp (タイ)
 小学校の英語の授業のお手伝い。週末は宿に地域の方や子どもたちがやってきて、英語教室、交流も。
・25-30 タイ国内(プーケット・バンコク)を観光。
キャンプで一緒だった7期生ゆうやと再会
12月 12/1-14 SMILE, Madhyamgram (インド)
 ストリートチルドレンの子どもたちが通う青空教室で、子どもたちのお世話、授業や活動のお手伝い
・15-19 インド国内(ブッダガヤー)を観光、学校訪問も。
・19-30 ネパールへ陸路入国、ポカラ・カトマンズを観光、ホームステイも。
1月 1/3–3/15 UPA, Sweet Home daycare and nursery school (ウガンダ)
幼稚園で子どもたちのお世話や授業のお手伝い。長期休暇中は、ビラ配りや遊具の修繕、大掃除、収入を得るためのアクセサリー作り等も手伝った。
2月 ・2/28-3/4 お隣の国ルワンダへ旅行、陽気に踊っていたらカメラを盗まれる
3月 -15 活動終了
・18-24 幼稚園の園長たちが支援している田舎の村Kyamdikyaへ。
学校建設のお手伝い
・25-3/4 ウガンダ国内をぷらぷら
4月 ・5-11 ウガンダからケニアへ、8期生さおりと再会、観光。小学校訪問も
・12-25 タンザニア・ザンビア・ナミビアを陸路で移動、予定詰め過ぎた!
4/29–6/23 FEVI, Innfa child care center (エクアドル)
5月 保育園で子どもたちのお世話、一緒に遊んだり、掃除やおむつ替えも。
・週末、エクアドル国内(キト・バニョス)を観光
6月 ・週末、エクアドル国内(オタバロ)を観光
~23日 活動終了
・24-7 エクアドル国内満喫、クエンカ・ガラパゴスなどの世界遺産へも
7月 ・7/8-16 現地NGO団体にお願いして、別の活動先Esmeraldasへ訪問、
小学校で英語の授業・日本の文化紹介など
・24日 無事日本帰国
8月 8/1-11 白神2 (日本・青森県)
 自然学校で子どもキャンプのお手伝い、ぼらいやー最後の締めくくりに、キャンプリーダーをやらせていただきました。
・12-15 東北観光、8期生めいに再会、被災地を案内してもらう
・荷物の整理、友達との再会、引っ越し等
9月 ・9/2- 香川で就職、現在フリースクールのスタッフとして働いています。
田坂さんが参加した国際ワークキャンプ/中長期ボランティア
期間 分野 内容
タイ 11/12–11/24  教育 小学校の英語の授業のお手伝い
インド 12/1–12/14 教育&子ども ストリートチルドレンの子どもたちが通う学校で、子どもたちのお世話
授業や活動のお手伝い
ウガンダ 1/3–3/15 教育&子ども 幼稚園で子どもたちのお世話や授業のお手伝い
エクアドル 4/29–6/23 子ども 保育園で子どもたちのお世話
日本 8/1–8/11 子ども 自然学校で子どもキャンプのお手伝い

総費用:190万円

【内訳】
NICE参加費 約40万円
航空運賃費 約50万円
持ち物準備代 約8万円
海外旅行保険 約9万円
予防接種費 約3万円
旅行中の宿泊や食事、その他 約80万円

01
応募のきっかけ

田坂 由衣さん応募のきっかけ

ぼらいやーのことを知ったのは、大学卒業の頃。興味のあった『海外』『ボランティア』の2つのワードでNICEのホームページにはすぐ辿り着いた。でも『1年』は長いなぁ~。その時はすぐ諦めて、別団体で初の海外ボランティア3泊。それが本当に刺激的で楽しくて、ぼらいやーの大きなきっかけになったのは間違いない!
実家の託児所を手伝ったり、臨時採用の小学校教師として働きながら、休暇を使って2回目の海外ボラ。でも今度は物足りなかった。もっと色々な国に行きたい!いろんな文化を体験したい!少しずつ自分の視野が広がりつつあった。もう『日本の学校』に居続けることは私にとって狭いと思えた。学んだことや実際に働いて得た経験から、海外の保育・教育のことももっと知りたくなった。世界で子ども達はどんな環境で暮らしているんだろう。旅をするならその地域に住む子ども達に会いに行きたいと思った。
野望もあった。いつか継ぎたいと考えていた実家の託児所はNPO法人。私が海外でそうしてもらったように、ここでも海外からボランティアを受け入れて、子どもたちがいろんな国の人と交流できたら…なんかおもしろそう!きっとステキ!だから、自分ももっとボランティアがしたかった。ボランティア受け入れのことも知りたい。
『ぼらいやーなら、全部できるんじゃない?』いつからかそんな想いが消えなくなった。仕事もどうにか区切りを付けて、いざ!応募することにした。

02
インタビューや事前研修

田坂 由衣さんインタビューや事前研修

インタビューを通して、自分の想いがはっきりしてきたし、不安もあったけど『今やらないでどうする!』と次第に決意が固まっていったのを覚えている。自分はどちらかというと行動に移すのには時間がかかるし、想いを伝えるのは苦手な方だけど、『ちゃんと伝えなきゃ!』と両親を納得させる為にプレゼンを作ったのもこの頃(笑)。
事前研修では同期のメンバーや経験者の方々からものすごい刺激をもらった。正直会ったばかりで『仲間』と呼べる関係なんてできないと思ってたけど(笑)。今ではぼらいやーで出会った人は私にとって大切な『仲間』。個性的な人ばかりで、でも、どこか共感する所があったりして。時にふざけて、時に真剣に、睡眠時間も惜しんで語り明かした。思い出深いのは英語でのワークショップ。日本文化の紹介で、詩吟を披露して大ウケ!自分の英語力の無さと共に、それでも伝わる楽しさも存分に感じた。

03
活動中

田坂 由衣さん活動中

私の場合、ボランティアを中心に活動予定を立てていった。子ども・教育分野に絞りつつも、その中で色々な活動ができるようにと考えて選び、3つのワークキャンプ、2つの中長期ボランティアに参加。
違う国・地域で、同じ分野のボランティアをすることで、地域差が分かるし比べられるのはおもしろいところ。教育制度の違いや、それぞれの地域が抱えている教育問題について受け入れ団体の方から聞く話は、いつも実体験と重なってリアルに感じることができた。前の反省が活かせるし、ネタの使い回しができるのもイイところ。ワークキャンプ仲間に教えてもらった英語の歌や、現地で先生達から学んだことをフル活用して、1人で英語の授業をやれた時には自分自身の成長も感じることができた。

田坂 由衣さん活動中

活動中常に感じていたのは言葉の壁。学生時代に英語が一番の苦手科目だった私も、日本語が通じない土地に出て頼りになるのはやっぱり英語。他のボランティアや先生達とは、電子辞書やノートを片手に、絵を描いたり、分からない単語を調べたりしながら、どうにかコミュニケーションをとった。『英語ができない』劣等感から、積極的になれなくて落ち込むことも多かったけど、色々な人と出会う中で、『育った環境が違うのだから仕方がない』『伝えようとする気持ちが大事』と思えるようになった。 スペイン語圏で全く言葉が通じない経験も通して改めて気づいたのは、『子どものすごさや可能性』。名前を呼んで、身体を動かして、そうして遊んでいるうちにすぐ打ち解けて友達になれる。子どもの好奇心は簡単に私の壁を壊してくれた。母国語もまだ獲得してない子どもはそれこそ言葉に縛られてなくて、なんでも分かり合える気がした。子ども達の笑顔にも救われた。その笑顔を支えている大人の存在に気づくと、何度も心が温まった。

田坂 由衣さん活動中

ボランティアとボランティアの間は『旅』をした。『陸路で国境を越えたい』『砂漠が見たい』とか自分のやりたいことを思う存分詰め込んで、世界を肌で感じながら過ごしたこの1年間。言葉、文化、価値観、肌の色や目の色…たくさんの『違い』に出会った。『違い』が私を悩ませて、困らせて、でもそれが美しくて。
こんなにも違うのに、日本でも、訪れた国でも、きっと世界中に共通することにも出会えた。笑顔のチカラ、人が人を想う気持ち…言葉じゃ全部を言い表せないけど。ぼらいやーは私にとって、人生の宝物になった。

04
帰国後(現在)

田坂 由衣さん帰国後(現在)

ぼらいやーを終えて1年間は、フリースクールのスタッフとして働いた。世界で学校に通いたくても通えない子ども達と出会う中で、学校に通う権利があるのに通いたくない・通えない、いわゆる『不登校』の子どもの問題に興味を持ったから。通っているメンバーは自分の『好き』を見つけたり磨いたりしながら、イキイキと色々な活動に取り組んでいて、自分が持っていた不登校のマイナスイメージがどんどん崩れていく目からウロコな日々だった。学校の役割や学ぶことの意味、本当に色々なことを改めて考えさせられた。
 帰国後2年目から、いよいよ実家を手伝うことに。保育士として、3ヶ月~小学校低学年まで幅広い年齢層の子どもを預かり、働くお父さん・お母さんの育児をサポートしている。ほぼ同時進行で、ずっとやりたかった『外国人ボランティアの受け入れ』も考え始め、NICEの『開催地サミット』にも参加させてもらった。そして、『地域の子どもたちに、世界を身近に感じられるような国際交流体験を』とNICEと共催で国際ワークキャンプを企画、市民活動センターに紹介してもらった方と共に、最初は2人で実行委員会を立ち上げた。話し合いを重ねる中で興味を持って運営を手伝ってくれるスタッフや、協力してくれる団体も見つかり、半年ほどで初開催!8人の国内外のワークキャンパーを招いて、地域の子どもを対象に参加者を募り、のべ100人以上の子どもたちを巻き込んで、海岸清掃や子どもキャンプ、夏祭りの手伝いなどを行った。反省点もたくさんあるけど、来年も!!と意気込んでいる。

ぼらいやーに参加して感じたこと、得たこと

NO.1
世界が少し広がった

いろんな人に出会って、いろんな生き方・考え方を見聞きして、今まで持っていた自分の考え方が、少し柔軟になったと思う。自分の知らなかった世界を見て、自分の世界が少し広がった感じ。前よりも少し、人に対して優しくなれるんじゃないかな?いろんな状況や気持ちを受け止めてあげられるんじゃないかな?とか思う。そして自分も、慣習や日本的感覚などにとらわれず、視野を広く持って、これからの人生を自分らしくやっていきたい。

NO.2
あっちこっちでできた「つながり」

これからも連絡を取り合いたい人が増えた。ボランティア中に出会った友達、お世話になった現地のスタッフや先生方、旅先で出会ったあの人、この人、8期生の仲間、NICEのスタッフやNICEに関わる人たち・・・いろんな所で、国籍問わず、いろんな人と出会って、つながりができた。こういうつながりが、これからも私に世界のことを考えるきっかけをくれると思うし、新たなつながりが生まれるかもしれない、とも思う。これからも大切にしていきたい。

NO.3
「ボランティア」を考えた 

ボランティアを実際体験して、「ボランティア」についていろんなことを考えられた。いろんな国から来たボランティアとの出会いを通して、ボランティアに対する意識や考え方の違いを知ることもできたし、受け入れ団体の方と、ボランティアを受け入れることの問題や限界、ボランティアが来ることの良さ、子どもたちへの影響、可能性…いろんな話を聞くことができた。自分の「ボランティア」に対する考えが深まったと思う。将来に役立てたい。