NICE PRESS 2010年2月号

 

Asante sana Tanzania!
報告者

蔀 佳恵(ぶーちゃん)

大学時代にNICEに出会い、ドイツ、韓国、日韓、富士宮等参加。
大学卒業後イベント会社に勤務。2008年9月に退職、2009年1月より タンザニア連邦共和国ムベヤ州にある道路作りのトレーニングセンターで 村落開発普及員(広報)として活動中。 

TANZANIAでEKIDN大会
突然ですが、みなさんが小・中学生の時、学校で一番楽しみな時間は何でしたでしょうか?給食?部活?委員会?私は部活と体育、運動会でした。
しかーし!タンザニアの公立学校では部活は(私が知る限り)ほぼありません。ちなみに家の隣の中学校は昼食無しで2時半まで授業!(ヒエー!)なので、学校が終わると皆一目散に家に帰ります。また体育の時間は一応あるのですが、一度家に帰って夕方から再開。しかも内容はいつもサッカーか、たまに行進の練習・・?とかで、結局参加率は低い。特に女子は何をやっているのかな、、という状況。

そこで、タンザニアの子供たちに誰でもできるシンプルかつ新しい日本のスポーツを伝えよう!と思った私は、隣の学校でクラス対抗の校内駅伝大会を提案することにしました。

駅伝を選んだ理由は
・道具が要らなく単純
・努力が成果につながりやすい
・チームワークが大切
・新しいことへチャレンジする機会づくり

などがありますが、私が元陸上部で駅伝が生むドラマが大好きということ、そして何より私が日本で駅伝をしていた仲間たちとタスキ(襷)をつないで日タン交流ができたら素敵じゃないか、という思いがあって選択しました。
この趣旨に日本の仲間も快諾してくれ、襷の他、景品に素敵な鉛筆・タンザニアには無いようなプラスチック表紙のノートなどを用意してくれることに。
中学校側も、校長先生が授業時間を一部使うことを認めてくれ、更にはクラス代表走者を決めるのにも全員参加の選抜競走を行うことになり、何だか私が思った以上にワクワク、楽しみなものになっていきました。

そして迎えた大会当日・・
この日は1か月ぶりぐらいに朝から大雨。「うわー、さすが私 雨女・・延期か?」と頭が痛くなったりしたものの、何とか予定時刻の午後1時には快晴に。
しかしグラウンドに到着し、始めようとしたのも束の間・・選手がいない、クラス毎に並ぶことが理解できない、ゼッケンを自分でつけられない、などなど若干予想はしていたけど、やっぱりええ?ってことだらけ。

それでも1時間半かかってなんとか選手とコースを確認し、ついに1区スタート!

え?襷は何処へ?
でも、珍騒動はこれだけじゃなかった・・!
何と1区走者が中継所に来たら、「ゴール!」しちゃったんです。襷をつけたまま、疲れ果てて転がってるー!
2区は、、?それを横で見てる!!! ぎゃーー。
布(襷)取ってー!と叫び、取った走者は走れー!と叫び、、。すさまじかった。何度も説明し例も見せていたんだけど、分かるとできるは違うんですねー。
改めて「異文化理解」の難しさを目の当たりにしました。

しかし色々と改善点は残ったものの、生徒たちからは「またやりたい」「次はもっとよくできる」更には「みんなにチャレンジ精神を与える良いイベントだった」という意見までもらい、もちろん景品(特にノート!)も喜んでもらえ、私としても準備不足が悔やまれるものの、まずはトライできたことが良かったかな、と思いました。

襷をつなぐことに込められた思い、また日本への興味などは何人が持ってくれたか分かりませんが、少なくとも新しい事にトライし楽しいと思ってくれたら、そしてそれが他の新しいことへのチャレンジにもつながれば。

またやりたいなー。やろうって中学生から言ってきてほしいなー。


               
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